ストレスとマネジメント、介護編
特別養護老人ホームや老人保健施設、有料老人ホームなどの介護関連業務においては、慢性化している少子高齢化を背景にサービス需要者に対して供給者が不足している状況が続いています。そのため、1人のスタッフが負担する業務量が年々増加しており、過労によるストレスだけでなく、労働環境が未整備な状況や、満足度の低い給与体系がさらに追い打ちをかけているような状況も少なくありません。日常業務では、業務量が多いという精神的負担だけでなく、サービス利用者やその家族からの要求に応えたり、満足度を高めるための責任の重さからくる精神的負担も多く、心労が蓄積して精神疾患に陥るケースも見られます。安定した労働環境を整備し、介護に携わるスタッフの方が働きやすい職場を作ることが、高齢者が生活しやすい環境を作ることに密接に関係しますので、こうしたスタッフのストレス状態を理解し、適正な労働環境のマネジメントの重要性が年々増加していると言える状況が続いています。介護の現場では、一人で悩んでいるスタッフを救済するべく、スタッフ間でその悩みの原因や課題、問題点を共有し合い、全員で課題解決に向けた取り組みを行うことがとても重要なのです。新規でスタッフを募集しても、すぐに辞めてしまうような施設では、この先の運営に陰りが出てくることは間違いありませんので、ケアマネージャーや社会福祉士などの上位者が率先して労働環境の向上を目指す必要があるのです。